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少年は150mmのレンズがついたクロームメッキのカメラを愛しそうに手に取った。フィルムを巻き上げたときの機械音、シャッターを切ったときの乾いた音、いかにも精密機械という存在感が少年の心を離さなかった。 少年はやがてアルバイトができる年齢になり、ある地方新聞社や写真スタジオでカメラマンのバイトをした。バイトといえば助手や雑用係りが普通だが、カメラマンとして扱ってもらえたのは運が良かったのだろう。 彼は大学を卒業するとき、ある新聞社の写真部長に誘われた。が、それを断った。彼は思った。「一番好きなことでお金をもらえるのはうれしい。だが、それが苦しみになり好きなことが嫌いになったら悲しい。」と。実は、彼は報道写真にはあまり興味が無かったのだ。 年月は経て、彼はフォトグラファーとなった。彼はいまでも写真が好きなことを幸福に感じている。 |
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